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2020年8月16日ニュース

ファミリービジネス関連の書籍を紹介する「J.P.通信」でEps.21 トム・ケリー&デイヴィット・ケリー共著/千葉 敏生訳『クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法』を投稿しました。

(FBページはこちら⇒ https://www.facebook.com/JP通信-by-FEMO-782507828813683/?modal=admin_todo_tour

うだるような暑さが続いています。熱中症はこの時期、新型コロナウイルスよりもっと怖いものになるかもしれません。医療従事者の方々の負担を少しでも減らせるよう、私たち個々人でやれることをやりながら、今後とも健康的な生活を心掛けたいところです。

家で過ごす時間が増える、イコール自分自身の内面を見つめる機会が増えた方もいるかもしれません。自分がやるべきことやこれから何をしたいのかなど、今まさに人生の分岐点に多くの人が立っているのではないでしょうか。今回ご紹介するのは、そんな私たちの選択のヒントとなるワードやエピソード満載の著書です。

著者であるトム・ケリーとデイヴィット・ケリー兄弟は、共同経営者として「IDEO(アイディオ)」という会社を起業し、Macのマウスに始まり数々の優れたデザインを生み出してきました。多くの企業にデザイン思考を取り入れたコンサルティングも行ってきたケリー兄弟の共著であるこの本は、私たちがある意味特別視している「デザイン」という作業の見方を根本から変え、誰でも「クリエイティブ」になれる可能性があると教えてくれる、その思考法の教科書のようなものです。職種に限らず、デザイン思考はあらゆる場面で活かされるものだということを私たちに教えてくれます。

当社FEMO(フィーモ)が永続支援のアドバイスをさせていただいているファミリービジネスの多くは、new normalの中で事業の探索と深化をどう進めていくべきか悩んでいます。中長期的にみると、進化する者しか永続できないのです。この本では、革新にとって重要なクリエイティビティは誰でも磨けることを前提に、社会課題の解決に繋がることをまずは始めてみる、そして課題を見つけたら少しずつ修正していくという「リーン・スタートアップ」にも通ずる経営の重要性を唱えています。是非ご一読ください。

J.P.

by FEMO(https://www.fe-mo.jp/)

フィーモは、new normalに対応するイノベーションを促進する仕組みを創業家や経営者と共に構築し、ファミリービジネスの永続を支援しています。

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「クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法」

トム・ケリー&デイヴィット・ケリー 共著

千葉 敏生 訳

 

著者であるトム・ケリーとデイヴィット・ケリー兄弟は、大の親日家としても有名である。彼らは日本人の持つ創造力を高く評価している反面、そのクリエイティブな部分が社会課題解決やビジネスという面で十分に発揮できていない日本人が多いことに、本当に「勿体ない」と感じているようだ。

彼らは私たち読者に何度も何度も繰り返し、「行動」を促す。行動を起こし、素早いイノベーション・サイクルを開始し、なるべく早く実践から学ぶべきだと強く望むのである。

「多くの場合、クリエイティブになるための第一歩とは、傍観者でいるのをやめて、アイデアを行動に移すこと・・・行動は成功の必須条件といっても過言ではない」。彼らは、デザインに特別な才能が必要だとは思っていない。デザイン思考とは、イノベーションを日常的に行うための方法論のひとつであり、いわば筋肉のようなものだと。つまり誰にでも備わっているもので、努力や経験次第で誰にでも鍛えることが出来るというのである。

存命中の偉大な建築家の一人フランク・ゲーリーは、キャリアを開始した当初南カリフォルニアの小さな空港で飛行機の清掃の仕事をしていた。もっともクリエイティブな建築家の一人がそんなところにいたなど、誰も想像すら出来なかっただろう。世界を豊かにする可能性は、どこに眠っているのかなんて誰にも分からないのである。だからこそ、私たち1人1人で気付いて、実践していくしかないのだ。

私たちがそれぞれの人生の中で、すでに持っているのに気付けていない創造性のフタを外してそれを活かすためには、著書の中で繰り返し出てくるクリエイティブ・コンフィデンス(創造力に対する自信)を手に入れることが不可欠だ。自分には周囲の世界を変える力があるという信念もしくは、自分のしようと思っていることを実現できるという確信である。そのためには、失敗を恐れて行動を先送りしてはいけない。創造性とは、詰まるところ常に結果論なのである。完璧主義が邪魔をし、計画段階で立ち止まってはいけない。アイデアだけでなく行動を重視する考え方、そしてそのアイデアを試す自由、失敗を恐れず最終的な成功のために何度も失敗を受け入れる能力こそが、現代の職場環境には求められているのだ。

ケリー兄弟は著書の中で、私たち人間の仕事を3つに大別して定義している。①週末や趣味のためだけに生きていくためにする「労働」、②深い意義の追求ではなく、肩書きや高い給料といった目標を実現することに専念する「キャリア」、③単なる手段ではなく、心からのやりがいを感じられる「天職」。彼らが推奨するのは、当然③だ。

「人生を単なる義務から真の情熱へと変えたいなら、まずは現状が唯一の選択肢ではないと認めることだ・・・最悪なのは安全策を取ること。慣れ親しんだ現状にしがみつき、何にも挑戦しないことなのだ。」

「どん欲な楽観主義」と2人が唱えるビジネス・マインドは、多くの見えない恐怖が立ち塞がる今の世の中で、私たちに大切な一歩を踏み出す勇気の尊さ、そしてそれを受け入れられる環境を整えることの大きな意味と価値を教えてくれる。私たち自身、言い換えれば今が自分の本当の価値、創造性と正面から向き合える最後のチャンスなのかもしれない。これから行動に移る人たちはゆっくりと、でも今より確実に豊かさに近づいていくだろう。行動しなかった後悔の方が、人間にはキツいことが多い。世の中がまた再生に向けて慌ただしく動き出す前に、私たちも自分の「豊かさ」のために出来ることを考えていきたいと思う。未来の自分が、その時行動した自分の勇気にきっと感謝してくれるはずだ。

 

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